1999年入社
MY STORY
暗闇から光明を見出す
コンサルタントという仕事。
「今さらですけどコンサルティングの面白さがようやくわかりかけてきました!」。――顧客企業の経営管理部門が多数参加するワークショップに同席していた若手社員の言葉は、お客様からの報酬やねぎらい以上に嬉しいものだった。案件は、某百貨店の長期成長戦略の策定コンサルティング。この業界は構造不況のただ中にある。そこにコロナ禍が襲い経営環境は非常に厳しい。そのなかでどう生き抜いていくか。重い課題だが、そこに光を見出すのがコンサルタントの役割だ。
MY STORY
2つの方法論。
そのための方法論は、ある程度見えていた。歴史を見渡し、培ってきた自社の強みを議論し、言語化する。同時に、地球温暖化や都市化、デジタル化といったメガトレンドから10年後の業界環境を読み解き、あるべき姿を議論する。そしてあるべき姿を起点に自社の強みの強化策を計画化する。いわばフォアキャストとバックキャストの手法を融合してめざす姿とプロセスを描いていくのである。
こうしたアプローチ手法やワークショップ運営といった実践知は、政府が掲げる「Society5.0」や経産省の「価値共創ガイダンス」など“経済発展と社会課題解決の両立”に企業経営のトレンドがシフトするなかで、ブレーンセンターがこれまでの知見をフル動員して築き上げたものだ。実績も年々増えている…。が、実は自分にとっては見通せていない大事なこともあった。コンサルティングという仕事の魅力を若手社員にいかに伝え、興味をもってもらうか。人材育成に関する方法論だ。
MY STORY
人類の営みを視野に
顧客の未来を描く。
顧客の悩みを解決し、中長期的な成長を支援する仕事が面白くないわけがない。そのプロセスは、大げさにいえば人類の営みのこれまでとこれからを丸ごと理解しながら顧客に合った未来をつくり上げていくようなものだ。と力説してみたところで、自分たちがここまで20年かけて築いてきた仕事の面白さが入社数年の若手に伝わるはずもない…。ここ数年、コンサルティング事業が当社の成長をけん引する柱になったがゆえの悩みである。
課題図書を読ませる。過去の事例をひもといて紹介する。客先に同行させて経験を積ませる。いろいろとやってみたが即効性のある方法なんてない。3年で習得できる仕事は3年で飽きる。20年やって辿り着いた事業だからこそ悩むのだ。と同時に、悩んでも何一つ解決しないことも知っている。そこで私は半ば開き直って情報共有を徹底した。顧客との会話はもちろん、私が考えたこと、考えてもわからないこともリアルタイムですべて言語化して伝えた。どれだけ冷静に現状を把握できるか。そしてどれだけ顧客の立場で考え抜くことができるか。想いとノウハウの双方を伝授しようと思った。
MY STORY
若手社員の
共感をゴールに。
こうして迎えたワークショップ。ファシリテーターとして向かい合う相手は、顧客だけではない。同行した若手社員が当社の存在意義を理解し納得することがプロジェクトの成功だとゴールを定めた。その答えが、冒頭の「面白さがわかりかけた」発言だ。若手社員がこう続けた。「コンサルティングの極意は方針や戦略を立案するだけでなく、その背景にある『顧客愛』を語ることなんですね」。…涙が出そうになった。
ANOTHER SIDE
大学時代、アルバイトで貯めた10万円でマウンテンバイクを購入し、大事にしようと四畳半の部屋に保管。「自転車様が鎮座するお部屋に下宿させていただいてました(笑)」。以来、「早く、遠くまで行ける快感」に魅せられて数々の自転車を乗り継ぐ。現在の愛車はイタリア・チネリのフレームを購入して自分でパーツを組み上げた。「思い入れの1台でいろんなところに走りに行きたいっすね」。